<レポート>「新しい季節の伝統をつくる」第5回目:菊炭編


当店の催し《寄り合い》の一つ【新しい季節の伝統をつくる】の第5回目(7月11日開催)をレポートします。


当店の催しで「寄り合い」というジャンルは、ゆるゆるっと、おやつタイムのおしゃべり感覚で開催しています。が、能勢町にまつわることを、濃く、深く、真面目に考えています。


参加者は、店の規模に合う人数まで募集しています。参加ご希望の方は、お問い合わせください。


以下、そもそもどんな催しか&

第1回目~4回目については、

こちら⇩をタップ!

「新しい季節の伝統をつくる」について


と、

これまでをわかっていただけたところで、

第5回目をレポートします。



<第5回目の参加者>


・能勢在住の若手農家 水口農園の中井真理子さん


・能勢町地域おこし協力隊の高江直哉さん


・能勢町地域おこし協力隊の江藤幸乃さん


新たな参加者として、


・現在は休学して農業を地元で学んでいる能勢在住の大学生・大城伊織さん


・山辺地区にある大阪ラスキンモリスセンターの運営スタッフの一人で、

studio-Lの吉田英司さん。


そして、店主、福田愛。



<今回のテーマは、菊炭>


高江さんたっての希望で

能勢の特産品「菊炭」

について話し合いました。


菊炭とは、


茶道を大成した「わび茶」の祖

千利休に認められ、

500年以上もの間、

茶の湯で愛されて続けている

茶の湯炭(又、な「池田炭」)です。

(茶道、わび茶、茶の湯の違いを

わかっていない店主ですが…)


断面が菊の花に似ていることから、

「菊炭」と呼ばれています。

どんなのかはこちらから



能勢町で今なお菊炭を焼き続けている職人は、

小谷義隆さん



小谷さんの悩みは、

このままでは、

菊炭という伝統が廃れていく!



そこで、


高江さんが立ち上がりかけているわけです。



まずは、


菊炭に詳しい高江さんを中心に、

菊炭に関する情報を共有しました。




<菊炭の歴史は?>


平安時代のころから戦後までは、

熱源として使用。

その後は、茶道のみに使われるように。


(店主のうちには、

かつて熱源として使われていた

菊炭のデッドストックがたくさんあり、

おもてなしとしての

カンテキ(七輪)鍋のときに

使ったりしていまして、

そろそろ無くなります…)



(江藤さんによると、

能勢の高齢者に「菊炭」と言っても

通じない、と。

それは、「菊炭」と名付けたのが、

小谷さんで、比較的新しいからと高江さん)



菊炭の名前の由来は?


「菊の花」模様は、

原料が「クヌギ」だから。



かつて、クヌギは、

「上(じょう)の木」(能勢弁?)と

呼ばれていたということを

高江さんは店主から聞いたそうですが、

店主は、すっかり忘れておりました…。

思い出したところ、

近所のおじいちゃんから聞いた言葉でした。





〈菊炭が茶道で好まれている理由は?〉


見た目の美しさはもちろんのこと、

茶道のお点前が終わるころに、

炭も燃え尽きるからだそう。





けれども、

コロナ禍は、お茶席が開かれない。



菊炭ピンチ!



さあ、どうしたらいい?



炭(すみ)=住み。

だから「安住」を意味する

縁起物だよ

という話もしつつ、



アイデアを15分ほどでしぼり出し、

強粘着な付箋に書きだして

空いている壁に貼りながら、発表!



火を熾すパターン、

飾るパターン、

炭の性質を活かすパターン等から、


瞑想用として、

日用品として、

インテリア、

キャンプ、

野点、

縁起物として等々、


広報としては、動画でしょう!と。


店主は、大城さんが語っていた言葉

「チャコールビューティ」を

時々思い出しています。

(菊炭の石鹸はあるという話から)



様々な種類のアイデアが出ました。



で、どうする?

コミュニティデザインが本業の

吉田さんに助けを求めたりしてー。




小谷さんは、どうしたい?



そうだよねー。



茶の湯炭として残したい

という気持ちが強いと思う」と高江さん。



でも、



茶道は、

「道」が敬遠させる、

という参加者の声。


「決まり」がネック、と。



それに、菊炭のことを

もっと知ったほうがいい!



それにそれに、


この<寄り合い>の趣旨と目的を
再度確認したほうが!


ということなので、


今わかるのは、趣旨と目的。



風土、地域資源、こころの部分に沿って、吟味し、活かして、新しい楽しみを模索しつつ作り、実践し、定着させるように何かしら動き、いつか伝統になればいいなあ。



つまり、楽しみであることが

大事なんとちゃうかいな、


と、店主は勝手ながら思っている

今日このごろです。


菊炭×茶の湯×◯◯=娯楽


アイデアを見ると、

良さげなものがあるような。




後日に新聞で読んだことを少々。


毎日新聞2022年7月23日

「今週の本棚」より

橋爪大三郎評

『日本思想の道しるべ』

(鶴見俊輔著/中央公論新社)

より一部引用


柳宗悦は《熱狂から遠い人》だ。バーナード・リーチの教えで朝鮮陶磁に触れ、やがてそれをつくった朝鮮の人びとに連帯感を抱く。ソウルに朝鮮民族美術館を建てた。民芸に関心が拡がった。日用の器には、芸術の美醜を超えた美がある。茶道はそれを発見した。だが、形式化した茶道は利休を含め、その原点を裏切っているとする。


これを読んで、やっぱり「形式化」を取り払えば、日常的に、民藝的に、多くの人によって受け継がれるのでは?と独り言をつぶやく店主なのでした。


そのためには、茶道、茶の湯、わび茶、千利休についても、学んだほうが良いですね。





次回は、8月22日(月)10時30分~を予定



菊炭については、一旦休憩して(え?)

「行事」について見ていきます。


そのままor形を変えたら受け継ぐことが可能な【推し行事】について話し合いましょう。


とりあえず、能勢で受け継がれているもの全ジャンルを見ていき、これなら受け継ぎたい!と言えるものを各自が出していくことをしていきます。その後、実践へ。


行事については、上へ戻って、これまでの内容を読んでくださいね。


ではでは







四季の企画室 野の 福田商店

. 季節を知り、季節に寄り添い 自然を細やかに感じ楽しめば 発見がたくさん 感動もたくさん すると 気持ちが満たされ 心おだやかに、すこやかに