<レポート&感想>Jack Farmの新・日本茶WS&おはなし会【"足るを知る暮らし"を創る~タイの森から茶の町へ~】

「足るを知る暮らし」を創るをテーマに、南タイの森の中に小屋を建て、水道、ガス、電気使わず、井戸、薪、ソーラーを用いる自給自足の暮らし、その後、宇治茶の本場、京都・和束町へ2016年に移住して、茶と米を栽培する暮らしをおこなっている、Jack FarmのJack(Thongchim Pathomthat)さんと後藤なつきさん(能勢育ち)夫妻。


そんなお二人をお迎えして、お茶のことと、これまでのお二人のこと、ボランティアや「足るを知る暮らし」についてお聴きし、その後、生産者直々に美味しさをおしえていただく新・日本茶ワークショップを2022年8月20日に開催しました。


こちらの内容と参加者による感想をお伝えします。



JackFarmのプロフィールについてはこちらから



こちらは告知ページです




<会の流れ>


①おはなし会

店主がインタビューをしました。Jackさんは、日本語がわかりにくいので、なつきさんに通訳をしていただきながら、進めていきました。


内容1「足るを知る暮らしについて」

・子どものころからのボランティア

・お二人の出会い

・「足るを知る暮らし」をめざした理由

・森での自給自足の暮らし

・現在の「足るを知る暮らし」


内容2「日本茶について」

・お茶栽培へ突き動かしたもの

・日本茶栽培をして良かったこと

・Jackさんから見る日本茶の魅力

・農薬・化学肥料不使用事情

・煎茶の輸出について

・フランス、ドイツの日本茶事情

・お二人の日本茶のある生活

・今後の希望、未来の日本茶について




②新・日本茶ワークショップ


「私の好きなお茶を見つける新しい楽しみ方」として、参加者のリクエストに応えて品種を選び、結果的にJackFarm産煎茶全4種類の温かいお茶&水出し茶を味わいました。


最後は、水出し和紅茶のオレンジティー(蜂蜜入り)


お茶菓子は、Jack Farmの米粉と焙じ茶で出来たフィナンシェ(製造: MAHOU COFFE/京都・木津川)


お話し会では、茶農家だからお茶栽培やお茶の話かと思っていたら大間違い!? 

お二人が学生のころから参加するボランティアについて、「奉仕」よりも「学び合う場」であると結論する日本人には意外な話や、自分たちで可能な限り自足するシンプルに暮らすまでに至る考え方について、はたまた日本の今後の農業、日本茶の未来についてまで、深く濃いお話の時間となりました。


美味しいお茶を味わいたい♪と参加された人も、「足るを知る暮らし」の話によって、自分の暮らしを見つめることになるほど心を大きく揺さぶられた時間になったとか。


その後の新・日本茶ワークショップは、単なるお茶を味わうだけの時間とならず、お茶ですが、噛みしめて味わい、荒茶づくりへこだわり、茶葉も食べられる、といった新たな発見をするに至ることとなり、お茶を多様に堪能したのでした。





それでは、感想です。


「ステキな会でした!」と言って下さったのですが、どういうところだったかをぜひ読んでみてください。感想は次の週にお願いしました。


最後は、店主からの一言もあります。



Q.この催し全体を通してのご感想をお願いします。


🌱しおんさん

志を重ね合わせられる

良い販路とめぐりあえますように

今回はジャックファームさんが茶と米の農家になるまでの軌跡を追わせていただいた感じで、そこからどのようにチャレンジを続けて行かれるのか、今後その成長を継続して見守れる機会があるといいですね。


タイでの自給自足に近い暮らしからスタートされているのでつくる上でのご苦労よりも安定した販路確保の難しさが感じられます。どのようにニーズを喚起していくかと考えるとき、特に「足るを知る暮らし」をしていると世間一般の人があふれもつ欲やニーズへの感度はなかなか保ちにくいですし、日頃お茶を嗜好する人が求めているものと商品の魅力は少しちがうステージにあるように感じるので、志を重ね合わせられる良い販路とめぐりあえますようにと切に願います。



🌱せつぶんさん

ステキな時間を共有できた

参加者の皆さまに感謝

温かい気持ちを持ち帰りました。主催の福田さんの学び深いインタビューをきっかけにして、ジャックファームさんのお二人の出会いから現在地に至るまでの歴史に引き込まれ、第二部で味わえる日本茶への期待感が高まりました。ステキな時間を共有できた参加者の皆さまに感謝。



🌱沈子さん

お茶お茶♡ルンルンと

足取り軽く参加した私でしたが

この企画を知った時、まず、お茶が好だから、お茶のことを知りたいと思いました。単純に。なので、素直に、美味しいお茶がいただけて素敵な時間でした。素敵な催しをありがとうございました。

お茶お茶♡ルンルンと足取り軽く参加した私でしたが、「足るを知る暮らし」のお話し会では自分を振り返り、背けていたことにまた目を向けることになってしまいました。凹みもしますが、良い方向へのアンテナは貼りながら、今は止まらず行こうと思います。

「喜んでもらいたい」「お茶を飲んでもらいたい」

もうこの言葉だけで、それだけで、すべてが伝わるように思います。

ありがとうございました。



🌱なつこさん

新たなことを知る

いい機会、いい時間でした

自分が経験したことのない生活やお茶の世界の話が聞けたり、縁があって集った方々の思いや考えに触れることができたりと、また新たなことを知るいい機会、いい時間でした。ありがとうございました。





Q.おはなし会で印象に残っている、感情を動かされた、影響を今後受けそう等々といった内容は何でしたか?それを聴いて、得たこと、わかったこと、開眼したこと等々は何ですか?


🌱なつこさん 

本当の豊かさとは何なのかを

考えさせられました

もっともっとと物を欲しがらず、人に何かを求めすぎない生活を目指し、自分たちで暮らしを作り上げていくことでどんなことがあっても大丈夫!だと思える生きる力がついたという「足るを知るシンプルライフ。」のお話しを聞き、本当の豊かさとは何なのかを考えさせられました。物や人から与えられる幸せもあるけれど、自らで生み出していく心豊かで充実感のある生活は魅力的で憧れです。少しずつでも意識して日々を過ごしていけたらなと思いました。



🌱沈子さん  

普段の生活の中で、意気込まず、

今、自分が出来ることを

単純にシェアしていけばいいのかな

ボランティアの語源 「VOL」は、火山のように沸き出すと言う意味で、自然と湧き立つ気持ちから行動に繋がっていくもので、もっと身近に、暮らしを共にしながら繋がりが作られていくと言われていたのが印象的でした。 

「ボランティアに行く」「ボランティアをする」というと、何か特別なことのように感じていましたが、お話しを聞き、普段の生活の中で、意気込まず、今、自分が出来ることを単純にシェアしていけばいいのかなと思えてきました。

足るを知る暮らしについて、タイの森の奥でのシンプルライフにより、今まで当たり前として使ってきたものを使わなくすることで、幸せと感じるレベルが単純になった。

朝、晴れているだけで幸せと思える、感謝できると言われているのを聞いているだけで、心穏やかになれました。



🌱せつぶんさん 

私にも何かできるかもと、

前向きな気持ちになれた

・自分軸の考え方だけではなく、参加者それぞれの視点からの気付きを得られる場であった。考え方をアップデートできた。

・地球人として、互いを支え合うこと。簡単な事だよ!と自然体で活動される姿勢に、私にも何かできるかもと、前向きな気持ちになれた。



🌱しおんさん 

タイでの「足るを知る」を超えた

次の段階の「足るを知る」暮らしの

実践を感じました

一番印象的だったのが、インタビューの最後です。日本のお茶の未来や今後の展望をと問われて、後藤さんもジャックさんも若干言葉に詰まり、お答えになる前に一言「難しい」とおっしゃったことです。

まだ駆け出しで一年一年苦難を乗り越えながら取り組まれていて、まだ大きな青写真を描ける段階ではないこと、日々目の前のことに精一杯向き合いながら探られていること、リアルに伝わってきました。

和束町を選び、恐ろしい早さで進む高齢化や離農、茶畑の荒廃をなんとかしたい美しいまま未来に残していきたいと行動するなら、よそ見をしている暇はない、遠くのさまざまな問題をこねくり回すより目の前に広がるお二人が選んだチャレンジに全力で向き合っていこうとされている気概に物質的な面から経験されたタイでの「足るを知る」を超えた次の段階の「足るを知る」暮らしの実践を感じました。

難しいの後に語られた問題提起も今まさに差し迫っていることで、日々向き合う人だからこそのメッセージだったと思います。




Q.新・日本茶ワークショップで良かったところはどこですか?


🌱しおんさん

めずらしい品種、オグラミドリを普通の煎れ方と水出しとで試飲できたこと

(普段から様々なお茶をいただいているので、めずらしい品種に触れる機会は嬉しかったです)



🌱せつぶんさん 

日本茶の作り手からお茶を淹れてもらえる幸せ。和束の風景を感じるような、味わい深い贅沢な時間。



🌱沈子さん  

和束に行ってみたい!

実際にこの目で茶畑を見てみたい!

今まで、お茶の状態についてはまったく無知でしたが、荒茶(茶柱が立つお茶)のことを教えていただき、帰ってさっそく、家にある煎茶をチェックしたら、美味しい!と思っていたものは「荒茶造り」と記載があり納得でした。

また、製造過程など知らないことばかりでしたが、お茶になるまでの葉のことを想像したり、興味深く素敵な時間を過ごすことができました。もっと聞きたいと思いました。

和束に行ってみたい!実際にこの目で茶畑を見てみたい!

和束の茶畑の画像を見た時、幼い頃、祖母と茶摘みをし蒸して揉んで干して・・蒸した葉の香り、湿度、熱さなどがわ〜っと蘇りました。

煎茶は「煎茶」だと思っていたので、いろんな種類があることにまず驚き、いただいてみて、こんなに味もそれぞれ違うのか〜とまたまたびっくりでした。また、今まで葉は捨てていました。反省。今朝は大切に冷蔵庫に保管しました。おいしくいただきたいと思います。

今朝は、ゆっくりとお茶を飲む時間を作ることを第一優先に家事をしました。一日がゆったりと流れていったように感じています。

日本人が好むお茶の旨味を出すには、化学肥料が必要になると聞き、お茶だけでなく、生活を取り巻いているいろいろな矛盾をまた、思い出してしまいました。「悪循環」の言葉がよぎります。


🌱なつこさん  

茶葉と目を合わせられる

時間をいただけたこと

◎ゆっくりとお茶の飲み比べができ、様々な品種の味をしっかり感じられたこと。

◎普段は飲む前、飲んだ後の茶葉をじっくり見たり、香りをかいだりすることがないので、茶葉と目を合わせられる時間をいただけたこと。

◎どこで、どんな方が、どのような想いで作られたかがわかる安心で美味しいお茶に出会えたこと。




🌱店主より


お二人は、他の誰でもなく自分の本当の望みに正直であるのと、違和感を見逃さず、それによって生まれる望みも大切に進んで来られたのだと感じました。


だからか、日本のお茶と茶畑の風景を絶やさないために、タイから日本へ移住する、という大きな決断をされているにもかかわらず、冷静に、淡々と、決めたことを全うしていくのみという印象でした。


それこそが「足るを知る暮らし」そのものではないのか。


茶農家としては始まったばかりで、色々とご苦労もあるとのことですが、そんな中でも、いま、こころは満たされている、もしくは満たされると確信される方へ向かっているという満足感がある。つまり、そこには自分自身への不足はなく、偽りの満足感によって埋める不足もなく、あるのは整った平らなベースに積み上がるプラスのみ。どのようなかたちであっても、毎日暮らしていることが知足になっているのではないでしょうか。うまく言えてませんけども。



コーヒーを美味しく淹れたいと思うように、

日本茶を美味しく淹れたい人が増え、

母国の人に再び愛される

飲みものになるように、

当店も微力ながら、

お役に立ちたいという思いを強くしました。



JackFarmのお二人、ご参加の皆さま

どうもありがとうございました。



JackFarmのお二人が、このレポートを読んで下さったときの感想を下記に貼りつけますので、読んでみてくさいね。

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レポートを読ませて頂き、かなり胸が熱くなりました。聞いて頂いている方にとって本当に大丈夫だったかな?聞きにくかったかな?脱線したな。。とか思っていたので、このレポートを読ませて頂き、福田さんを始め本当に暖かい方々とあの時間を共有できたことを本当に心から感謝します。  


あと、そもそも、今回福田さんから、「タイのお話からお茶へ」というご提案を頂いて、最初は、タイでの生活は大好きだけど、逆にいうと、ただ私たちがしたいことをしていただけで、それを話しても誰かにプラスになることなんてあるのだろうか?と思っていたので、このような参加者の方のお言葉を聞き、驚きでしたが、単純に嬉しかったです。

   

私たちこそが様々な気づきを得られ、明日からまた続けていこうと思える時間を本当にありがとうございした、


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JackFarmのお二人による、イベントの感想(Facebookより)は、こちら↓からどうぞ。

四季の企画室 野の 福田商店

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