<レポート>新しい季節を伝統をつくる:食編
当店の催し《寄り合い》の一つ【新しい季節の伝統をつくる】の第三回目(4月18日開催)と第四回目(5月30日改め6月3日開催)を一度にレポートします。
当店の催しで「寄り合い」というジャンルは、ゆるゆるっと、おやつタイムのおしゃべり感覚で開催しています。が、能勢町にまつわることを、濃く、深く、真面目に考えています。
参加者は、店の規模に合う人数まで募集しています。参加ご希望の方は、お問い合わせください。
第三回目の参加者は、前回の3名(能勢在住の若手農家 水口農園の中井真理子さん、地域おこし協力隊の高江直哉さん、店主)。
第四回目は、上記3名に、水口農園の裕介さん、と、地域お越し協力隊の江藤幸乃さん。
<第三回目>
テーマ:継承可能か否か
内容は、
1、2回目で上げた
「能勢町の受け継がれている伝統」を
継承可能か否かで、
分類してみよう!です。
結果からいうと、
継承可能か
形を変えたら継承可能が
ほとんどでした。
継承不可は、
松茸の入札
のみ。
●継承可能●
<食>
米
栗
酒(秋鹿)
かす汁
鯖寿司
でっちようかん
<行事>
いのこ
道つくり
昔ながらの注連飾り
天道花
町の味噌づくり
<生活>
栗ひろい
<祭り>
東郷だんじり
岐尼(きね)神社の秋祭り
獅子舞(山辺)
<環境・場所>
湿地(生物多様性)
城山・三草山・剣尾山
あんどん岩
<文化>
人形浄瑠璃
●形を変えて継承可能●
<食>
杮(こけら)寿司
白和え(お講)
鶏すき(お講)
里芋ごはん
<行事>
お講(伊勢講、大原講、あたん講etc.)
雨乞い
<環境・場所>
きねん田
棚田
山林(山仕事)
浮峠
名月峠
山城跡
<文化>
浄瑠璃音頭
菊炭
※ホワイトボードにあります「柴しい」は、「山へ柴狩りにいく」という意味で使われていた言葉。すでに廃れていることだったので、上記に含めていません。
※「天道花」はあるのに、長谷の「御田植(おんだ)祭り」が入ってませんよね。というように、入っていない受け継がれているものもあるかと思いますが、これを読まれ、気づいた方は、おしえてください。
<四回目>
テーマ:食について
サブテーマ:新しい伝統にしたい神楽
四回目は、ゲスト!
水口農園の裕介さんが循環農法の修業をしていた大分県で「神楽」を舞っていたことから、能勢町でも舞いたいという気持ちが強くなり、プレゼン(?)。江藤さんは、神楽に興味津々で参加されました。
神楽とは、日本を代表する芸能。
神を迎えて、その場にいる人たちに力を授けたり、厄払いを行う舞楽で、笛・太鼓・銅拍子などの鳴り物に合わせ、仮面をつけて無言で舞います。
裕介さんが、昨年、宝塚で依頼を受けて某公園で舞った映像を見せてくれました。
やわらかでおおらかな舞いが繰り返されることから、気持ちが落ち着いていき、大いなる存在を感じるのでした。
ここでいう神楽は、民間の神楽。
現在、九州から東北まで
伝えられている神楽は、
約5000あり、
稲作、狩猟との結びつきも強いということ。
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能勢町には、文化や芸能が少ないな、という話をこれまでしていました。
そんな能勢ですが、
浄瑠璃は、200年続く、
世界に誇るべき芸能です。
世界に、です。
これ、本当に。
こういうかたちで200年続く芸能は
世界では、珍しいのだとか。
能勢町の浄瑠璃は、江戸時代、神山(こやま)地区の杉村さんという方が、大阪市内で医学を学ぶかたわら、浄瑠璃も習い、能勢町へ持ち帰ったのがはじまりです。
芸能ではないですが、銀寄栗は、倉垣地区の人が広島から持ち帰ったのがはじまり。
鯖寿司は、京都から伝わっているようですし、都から伝わるものは多いですよね。
どこかから伝わってきて、
楽しみとなり、
地域色が出て来て、
伝統となっていく、
という流れですね。
神楽だって、そうなりうるのではないでしょうか。
伝統となりうるには、まずは一歩が大事。
ということで、秋に能勢町が開催する「のせ栗まつり~おおさかのてっぺんフェスティバル~」のステージに出演することを誓っていただきました。コロナ禍は開催中止となっていますが、今年、開催されるでしょうか。(追記:今年は秋のイベント依頼が多く、出演は無理そうとのこと。残念!)
続いて、<食>について。
ここで、いつもの参加者3名が中心になりまして、話し合いました。
継承可能な食も、
形を変えて継承可能な食も、
能勢で受け継ぐ価値があるのか
価値とは、なんだ、というのもありますね。
能勢らしさ?風土?
そこも大事にしつつ(?)
興味に焦点をあてて
それぞれが選んでみました。
<継承可能な食>
米
栗
酒(秋鹿)
かす汁
鯖寿司
でっちようかん
<形を変えて継承可能な食>
杮(こけら)寿司
白和え(お講)
鶏すき(お講)
里芋ごはん
以上の中で、継承に値するとそれぞれが考えるものを一つあげました。
●高江、福田
でっちようかん
●中井
杮(こけら)寿司
でっちようかんは、
今は、2ケ所で製造販売されています。木田菓子店と能勢BOX。道の駅では、地元の人が作ったものも販売されています。後世に残すためには、もっと多くの人が作れるようになることが必要ではないのか。家庭でも作れたら。家々の味があったら。長方形以外でも良いのではないか。例えば、オオサンショウウオが有名な町では、オオサンショウウオの形をしたコンニャクを作ってお土産にしているのだそう。→☆☆☆ 能勢だと、栗?こけら寿司の型?
こけら寿司は、
型はそのままで、載せる具材を季節ごとに変化させていくことで能勢らしさを楽しめるのではないか。70代ぐらいの人は、運動会で食べていたと話すので、行事ごとに食べるものとなっていけば広がっていくかもしれません。
さらに、
いのこのぼたもち
も、話題となりました。
店主の家では、亥の子の日に、ぼたもちを食べたことがないのですが、京都のお菓子屋さんで11月に販売される「亥の子餅」はずっと興味を持っていました。
「亥の子餅」は、能勢(東能勢村)で作られ御所へ献上されていたそう。それが、現代の上生菓子と同じかはわかりませんが、能勢町では売られてもいないし、作る人もいません(たぶん)。だから、作ってみるのはどうか、と。
・杮寿司
・でっちようかん
・亥の子餅
は、秋に作ってみよう!
という話となりました。
(夏は暑いからという店主のわがまま理由で、笑)
ちなみに、
「杮(こけら)」と「柿(かき)」は、同じ字ではありません。
次回の開催は、7月11日(月)10時30分~
菊炭についてを話題にします。
菊炭を作っておられる小谷さんのお悩みでもあるらしく、取り上げることにしました。
以上、寄り合い【新しい季節の伝統をつくる】三回目、四回目のレポ―トでした。
そうそう、三回目は、おやつを出しました。
新潟の「ちまき」「笹だんご」。
こういう葉っぱで巻く系を店主は好きなのです。
能勢町でも、70代ぐらいの人によると、子どものころ、
川に生えている植物等を使って「ちまき」を作っていたそうですよ。
これも京都から伝わったんでしょうかね。
以上です。
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