<レポート>新しい伝統への次なる展開!

当店の催し《寄り合い》の一つ【新しい季節の伝統をつくる】の第二回目を12月13日に開催しました。「寄り合い」というジャンルなので、ゆるゆるっと、おやつタイムのおしゃべり感覚で。


第一回目のレポートはこちら


参加者は、前回の3名(能勢在住の若手農家 水口農園の中井真理子さん、地域おこし協力隊の高江直哉さん、店主)。


そして、新しい参加者が!


能勢の農村文化を研究している大学生 坂之下蒼人さん(2021年12月の時点)です。


前回の参加者は、この一月半で興味の対象に「能勢の伝統」が加わったことから、まず、新たに仕入れた情報をそれぞれに話してもらいました。それらをもとに、より深めることができ、次なる展開を決めることもできました。


それぞれの内容を店主がホワイトボードに殴り書きしたので、まずはそちらをご覧ください。きっと、なんのこっちゃかわからないででしょう。


店主も、今となっては、うるおぼえ…。でも、ご安心を。


坂之下さんが、レポートをしあげてくれていました。レポートの内容をほぼ活かさせていただき、まとめておりますので、読んでみてください。


店主の記憶を辿る独り言もあります。



※なお、1月31日に開催予定だった第3回目は感染拡大により延期。2022年4月18日夕方に開催です。


中井真理子さんの場合


(店主のひとりごと)

地元の人は、自分の住む地区のことは知っていても、他の地区のことは知らないものだ、という話でした。確かに。なのですが、中井さんが暮らす山辺地区は、山辺神社のお祭りがあり、祭りの日は、何があっても参加するべし、と厳しめである(あった)ことは、他の地区にも伝わっています。そのシバリがあることで能勢を離れる人もいるという。現代ならではの課題ですね。


中井さんは夫と農業を営んでいますが、地域の習わしや行事がプラスに働いているとのこと。秋の「道つくり」という行事では、自分たちが使う道路や水路を掃除しますが、田んぼをするのに必要な作業ということでした。行事の多くが五穀豊穣を願ったり祝ったりしますからね。太陽の下、汗水流して働いたあとのお祭りは、正真正銘の真っ向から自分を労えるというものですね。




●高江直哉さん場合●


(店主のひとりごと)

高江さんは、能勢をアクティブに巡って様々な角度から地域おこし協力隊のSNSで紹介しておられます。


あるときの投稿では、歌垣地区の西満子さんの料理のこと。道の駅オープン当初、レストランメニューを考えておられたそうで、そのときの熱い想いと叶わなかった夢が気になり、能勢町のサイト『のせむすび』でレシピ紹介をするに至っておられます。そこで入手した話をたくさん語って下さいました。


例えば、能勢町でのほんまもんの寄り合い「お講」で出していたという、味噌入りの白和え。店主のうちでは作らないのですが、父に訊くと、「そういえば、お講で食べてたな」と。昔は、豆腐屋が地区ごとにあったとのことで、その話は95歳のご近所さんにも聞いたことがあり、なぜあったかというと、畦で豆を作っていたから?畦豆の話を店主は父から何度も聞かされていますね。その豆を、舗装されていない、かつての当店前の道路で、むしろを広げて干していたと。


お講には、鶏すき、ですね。今でもそうですよね。昔は、家に鶏を飼っていて、お祭りに一羽をさばくのが男の仕事で、さばけたら一人前といわれていたそうです。昭和30年ぐらいまででしょうか。このころ、さばいていた男たちは、今でも、手羽先、手羽中など、鶏の骨があるものを苦手とする人がちらほら。そこから推測するに、お講でも、「宿」という当番の家では、さばいていたんでしょうかね。さばかない時代になると、長谷の卵屋さんに一羽さばいてもらって使っていましたね。「うさぎの尿に虫わかず」って、どういうことか。高江さんに出会ったら、質問してみてください。


西満子さんについての紹介はこちら

西満子さんによる料理レシピはこちら




店主の場合

(店主のひとりごと)

少なっ!


3つしかありませんが、説明しますと、当店の能勢のお客さんから、「浄瑠璃音頭」を「浄瑠璃」ぐらいピックアップしてもいいのでは、という声がありましたもので。それぞれの地区で語り(歌詞)が違って、盆踊りといえば、浄瑠璃音頭で、踊りは自由だったそうです。店主の場合は、学校の運動会で踊るものでしたが、学校でおこなうために踊りを統一してしまったとか。調べて見ると、保存会がありますね。地区ごとの語りを知りたいですね。そして、自由に踊りたいですね。


「もがもが」は、能勢の方言集から見つけました。「先ず先ず(まあまあ)暮らしている」という意味。「あんたはん長いこと見まへんなんだが、あんばいでもわる(病気)おしたんか」「いーえ、おかげさんで もがもがしとりますわいな」これを使っていきたいと店主は思っていたもので。みなさんも、使ってみてね。なんて。


「中井株」の「株」は、Facebookで能勢の人が教えて下さったこと。下記にもありますが、お講でのグループのこと。中井さん住む地区には「中井」さんが多くて、中井さん同士でお講をやっていると話していたような。




まとめ


坂之下さんのレポートをかなり参考に



・行事への参加はほぼ強制的になりつつある。例としては、罰金制を採用している「道つく

り」などがある。お祭り行事も強制的ではないが、参加していないと目立つ。こういった村

のしきたりのような部分が若者のいない理由に繋がっているのではないか。


・「亥の子」は使用する獅子舞の形が異なるなど、地域によって色がある。子どもが主体と

なる行事なので、楽しいという要素もあるが、お金がもらえるから続いていると考えられる。


・芸能の面では「浄瑠璃音頭」がある。高齢者によると、各地域の盆踊りで必須。継承を目的として踊りを統一したが、本来は、自由だった。小学校では運動会で踊っていた(いる)。これは語りが地域によって異なる。※保存会がある


・「お講」を一緒に行うメンバー(5 軒ほど)のことを株という。


・昔は娯楽がなかったので、その中で集落行事を見出していた。しかし、最近は娯楽で溢れ

ているので、集落行事に参加する意味が薄れてきている。したがって、最近においては、集

落行事が娯楽から(伝統的な行事だから残していこうという)義務へと変化しつつある。


・地域の中でも大切なものをピックアップして変化させていく必要がある。


・今後、残していくためにも自由性があった方が良いのではないか。


・金銭が介在しない(楽しさが上回る、楽しいから残る)ようなものが良い。しかし、お金

にならないので、お祭りなどの参加を拒む人もいる。したがって、岸和田のだんじり祭りの

ような、伝統的で義務とならない、あったかさで持続している行事が良い。


・若者にボランティアを強要する風潮も良くないが、価値観の共有が大切である。(言い方

は悪いが、都会的な考えの人は能勢町に必要ないのでは)


・農村文化は、ある程度前向きな人の間だけで継承するべきではないか。


・自然を保つためには人の力が必要である。(道ばたのゴミにしても、みんなの手で自然を

つくっているという意識が必要である。)



(2)今後の課題


・消えかかっているものをどう今の能勢町の色に落とし込むか。


・全てを引き継ぐのは無理かもしれないが、少しでも先人が築いたものを残していきたい。


・今までなぜ続いていたのかも考える。(継承理由、可能性があるか等)


・続いているか、続いていないかでカテゴリー分けする。


・金銭が介在しないような方法で考える。  


--------------------------------------------------------------------------


で、三回目ですが、今後、継承可能か否かで、

受け継がれているものを分類してみよう!です。よね?


そして、坂之下さんの研究結果(論文)を入手しておりますので、私が代わりに発表しますよ。農村文化の継承について、興味深い結果が出ています。


参加してみたいわぁという方は、ご連絡くださいませ。

あと、1,2名は、今のところご参加可能です。


メール: fukuda.showten@gmail.com


あるいは、SNSのメッセージへ。


お待ちしております。



四季の企画室 野の 福田商店


大阪府豊能郡能勢町今西198-2

(今西商店街内 )


営/12時~17時

(催しがある日は、13時頃~17時)

※催し開始時間は、当店営業時間と異なりますので、ご確認くださいませ。


休/火・水・木 

※臨時休業が時々ございますので、お手数ですが、トップページでお調べの上お越しくださいませ。


✉ fukuda.showten@gmail.com


🚌阪急バス西能勢線「森上(もりがみ)」停留所より西へ徒歩約5分

 

🚙大阪市内・神戸市内からは高速ご利用で約1時間 


専用駐車場2か所計4台分アリ


四季の企画室 野の 福田商店

. 季節を知り、季節に寄り添い 自然を細やかに感じ楽しめば 発見がたくさん 感動もたくさん すると 気持ちが満たされ 心おだやかに、すこやかに